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zoom RSS ひきだしにテラリウム(九井諒子)

<<   作成日時 : 2013/05/21 21:06   >>

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「ひきだしにテラリウム」九井諒子

最短で2ページの短編33篇がぎゅっと詰まった短篇集。
不思議なお買い得感がありますw
以下気になる作品をピックアップして感想を書きます(`・ω・´)ゞ

「すれ違わない」
久井流少女漫画パロディ。
他作品から素材を仕入れて久井流に調理するパターンが出来ていると
「竜のかわいい七つの子」の感想でも触れましたが、本作もその一例。
少々ずるい気もしますが、実に上手いやり方だと思います。

「龍の逆鱗」
久井流山賊ダイアリー。
意図してやっているのかは不明ですが、本質部分は「山賊ダイアリー」と全く同質。
食べる生き物が「龍」というところが久井流。
参考までに「山賊ダイアリー」の方が先に発表されています。
この作品が好きな方は「山賊ダイアリー」も読んであげてくださいw

「代理裁判」
久井流脳内ポイズンベリー。
…とはいえ、今回はファンタジー要素が無いため設定丸パクリと言われても仕方ないかも。
脳内ポイズンベリーよりはこちらの方が読めますがw

「ノベルダイブ」
九井諒子の新境地!?
普段と逆のことをやっています。そういう手があったか!

「えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編」
エッセイ漫画と現実世界の描写を交互に描く今までに見たことのない手法。
「竜のかわいい七つの子」収録の「狼は嘘をつかない」でも見せた九井諒子のオリジナルな表現…
のはずです、多分w
この漫画を寝る前に読んだら夢のなかに「スイセキ絵皿」が出てきて、
「へぇ〜、実在するんだ」と夢のなかで思いました。コミックダイブですねw

「ショートショートの主人公」
久井流ゼクレアトル…というのは考え過ぎでしょうかw
「自分が漫画の主人公であることを自覚している主人公」を描いたメタ的作品。面白いです。

「未来人」
本作の最後を飾るにふさわしいちょっとした仕掛けのある作品。


【総評】
九井諒子の漫画より面白い漫画はいくらでもあります。
がしかし、表紙の装丁を含めて買いたくなる魅力があるのも事実。
「すごいすごい」と絶賛する方々の気持ちはわかりますし、
実際すごいなと思う部分も多いのですが、
九井さんの発想の全てが完全オリジナルと考えるのは上述の通り間違いだと思います。
「独自のスタイルを確立しつつ他作品からパロディ的に題材を仕入れる(こともある)」作家というのが正しい解釈なのではないでしょうか。

…いやあの、別に批判しているわけではありませんよ?w
ゴッホが何をモチーフに描いても「ゴッホ」であるように、
椎名林檎がどんなスタイルで曲を書こうとも椎名林檎であるように、
九井諒子はどんな絵柄や題材で描いても九井諒子なのです。
つまり、ネタを他から仕入れたとしても自分のスタイルを崩さないという意味において、彼女は既に一流の域に達していると私は思います。

【評価】
☆☆☆☆ 星4(加点1)
加点内容は内容の密度で0.5点プラス。
それぞれ非常に短いページにものすごい密度のアイデアが詰め込まれています。
パロディが多いとはいえ、これだけのものを次々に描けるのは驚異的です。
あとの0.5点は装丁の美しさ。手元に置きたくなりますw


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